ヒモをやめたい人へ。29歳で追い出された僕が抜け出し方を書く

ヒモをやめたい。そう検索している時点で、答えの半分は出ている。分からないのは、やめ方のほうだろう。

先に都合の悪いところから書く。僕は自分の意思でヒモをやめたのではない。追い出されたのだ。27歳から28歳までの約1年半、10歳上の女性経営者と同棲し、29歳で貯金ゼロのまま外に出た。

だから書けるのは、きれいな出口ではない。抜けるのに要るのは決意ではなく、相手に依存していない収入が1円でもある状態だ。その順番を書く。

なさ男

動けないのは意志が弱いからじゃない。順番の問題だ。

目次

僕はヒモをやめたのではない。やめさせられた側だ

この章は自己開示に使う。抜ける手順を書く人間がどういう終わり方をしたのかを先に出さないと、読むほうもフェアに判断できない。

終わりは3日で来た。準備をしていない側は、いつも突然終わる

ある晩、夕食のあとに別れを告げられて、部屋を出るまでの猶予が3日だった。その3日間に何が起きたかは1年半の同棲が3日で終わったヒモの末路の記録のほうに全部書いたので、ここでは結果だけ置く。29歳、貯金ゼロ、住所なし、履歴書に書ける職歴なし。通帳の残高は、翌月の家賃を払える額ではなかった。

突然だった、と言いたいところだが正確には違う。相手には決めるまでの時間があり、僕にだけそれがなかった。準備をしていない人間にとっては、どんな終わり方も突然になる。

抜けたいとは思っていた。一度も切り出せなかっただけだ

同棲して1年が過ぎたころには、僕はもう「これはまずい」と思っていた。きっかけは深夜のコンビニで通帳を記帳したときだ。1年分のページに、入金の行がほとんどない。生活には何ひとつ困っていないのに、僕という個人の口座では1年間ずっと何も起きていなかった。

それでも切り出さなかった。切り出したところで、翌日から住む場所も金もない。当時の僕にも、知り合い経由で月に数千円の原稿仕事が来ることはあった。それを収入と呼べるところまで育てる発想が、どうしても出てこなかった。芽はあったのに、水をやらないまま1年半が過ぎた。

養われること自体を、僕は恥だと思っていない

誤解されたくないので書いておく。これは「ヒモは最低だからやめろ」という記事ではない。養う・養われるは役割分担であって上下関係ではない、というのが僕の立場だ。その関係がどういう条件で成立するのかは養われたい男は甘えではないと書いた記事にまとめてある。

ただ、役割分担として成立している関係でも、降りたくなる日は来る。降りると決めた人間に必要なのは、思想ではなく手順のほうだ。ここから先は手順の話だけをする。

僕は手順を持っていなかった。だから、終わり方を選ぶ側になれなかった。

ヒモをやめられない理由は5つ。どれも決意では消えない

やめたいのにやめられないとき、たいていの人は自分の意志を疑う。だが足を止めているのは意志ではなく、具体的な事情のほうだ。僕が動けなかった理由を並べると、きれいに5つに収まった。

手元に現金がない。部屋を借りるだけで数十万円が要る

賃貸の初期費用は、敷金・礼金・仲介手数料・前家賃を合わせて家賃の4〜5か月分が目安になる。家賃7万円の部屋なら30万円前後だ。そこに引っ越し代と最低限の家電が乗る。抜けるという行為には、まず現金がかかる。

そして養われる生活は、構造的に現金が貯まらない。受け取るものの大半が家賃と食事という形で、手元を通らずに消えるからだ。生活の水準と、動かせる金の額はまったく別物になる

住所が自分のものではない

部屋の契約名義は相手で、住民票を移さないまま暮らしている人も多い。僕もそうだった。これは気分の話ではなく、実務として効いてくる。住所が確定していないと、仕事の応募も口座の手続きも携帯の契約も、どこかで必ず止まる。

抜けるという行為の半分は、感情の決着ではなく、名義を自分に戻す事務作業だ。書類の上の自分が宙に浮いている限り、外へ出る動きは途中で詰まる。

履歴書に書ける職歴が、一行もない

僕の20代は、働いていなかったわけではない。バーテンダーが3年、ギャラ飲みの席に約200回、レンタル彼氏では指名客が約80人ついた。それでも、履歴書の職歴欄に書ける行はひとつもなかった。この空白が代償としてどう効いてくるかは別で扱うので、ここでは抜けるときの障害としてだけ挙げる。

面接で空白期間を聞かれるたびに言葉に詰まった。あのとき痛感したのは、金がないことより厳しい状態があるということだ。いちばん怖かったのは、自分を説明できる一行が手元にないことだった

相手が悪い人ではない、という罪悪感

これを挙げる人は多い。相手は騙してもいないし、閉じ込めてもいない。むしろ気前よく、こちらを大事に扱ってくれている。そういう人に「この生活を終わりにしたい」と言うのは、恩を仇で返す行為に感じられる。

ただ、この罪悪感は正体を取り違えやすい。恩に報いたい気持ちと、居心地のいい場所から動きたくない気持ちは、混ざると本人にも見分けがつかなくなる。僕は1年半、前者のつもりで後者をやっていた。実際には、出ていく先がなかっただけだ。

外で通用しないという恐怖が、いちばん重い

5つのうち、実際にいちばん人を止めているのはこれだ。求められる側に長くいると、自分から売り込む筋肉が落ちる。誘われるのを待ち、相手の都合に合わせる。その姿勢は関係の中では正解だが、外に出た瞬間に役に立たない。

厄介なのは、この恐怖だけは検証できないことだ。金も住所も職歴も、手を動かせば形になる。だが「通用しないかもしれない」は、試すまで消えない。試す前に消そうとするから、準備がいつまでも始まらない。

この5つのうち、決意でどうにかなるものはひとつもない。全部、手続きで消える問題だ。

なさ男

「意志が弱い」で片付けると、一生片付かない。全部、手続きの話だ。

抜ける順番は、収入の芽、住む場所、それから相手に話す

ここが記事の中心なので、淡々と手順として書く。抜けるときの失敗でいちばん多いのは、努力不足ではなく順番の間違いだ。決意した勢いで先に宣言すると、準備を始める前に生活の土台ごと止まる。

先に「やめたい」と言うと、生活ごと止まる

宣言した瞬間、相手にとってあなたは「出ていく人」になる。相手にも自分の生活があるので、当然その前提で動き始める。部屋の更新、金の出し方。悪意ではなく合理的な判断として蛇口の位置が変わるだけで、それを責めることはできない。

そのとき自分の側に何もなければ、準備期間がそのまま無収入・無住所の期間になる。宣言は、いちばん最後に置く。目処が立ってから話せば、それは交渉ではなく報告になる。順番は次のとおりだ。

STEP

相手に依存していない収入を、1円でも作る

金額ではなく名義の問題として取り組む。自分の名前で受けて、自分の口座に入る仕事を1つ作る。クラウドソーシング、日払いの派遣、短時間のアルバイト、何でもいい。重要なのは、いつ何をやっていくら受け取ったかの記録が残ることだ。あとで職歴の説明にそのまま使える。

STEP

口座・携帯・住民票を、自分の名義に揃える

書類上の自分は、だいたいこの3点で構成されている。相手名義の携帯なら自分の契約に切り替え、使っていない口座は少額でも動かして生きた状態に戻す。住民票をどこに置けるかも先に確認する。事務作業なので、決意はいらない。

STEP

生活費3か月分を、目標額として置く

家賃を含めた生活費の3か月分。都内の単身なら50〜60万円あたりが目安になる。貯めきってから動けという意味ではなく、目標がないと、いくら貯まれば動けるのかが永遠に決まらないからだ。数字を置くと進捗が見える。

STEP

住む場所の目処を、初期費用の安い順に立てる

実家、寮や社宅のある仕事、シェアハウス、一般の賃貸。この順に検討すると、金のハードルは想像よりずっと低くなる。理想の部屋を探すのではなく、期日までに鍵を受け取れる場所を1つ確保する作業だ。仮でいい。行き先があるだけで話し方が変わる。

STEP

期日を決めてから、相手に話す

ここで初めて口に出す。「いつか」ではなく、月と日を出して話す。目処が立っていれば、相手も引き止めるか送り出すかを冷静に判断できる。決まっていない話を先に投げるのは、相談ではなく決断の押し付けになりやすい。

収入は金額ではなく、名義と記録で数える

最初の1か月が5,000円でも構わない。金額はあとから増やせる。増やせないのは、始めた日付のほうだ。1年後に「1年前から続けている」と言える人と、「そろそろ始めようと思っている」と言う人の差は、そこにしかない。

実際、僕が29歳で書く仕事を始めた最初のひと月の原稿料は8,000円だった。あの入金の記録が、今の生活の起点になっている。相手を経由しない入金が1回でもあると、自分の立場の説明が変わる。金額の話ではない。

住む場所は、プライドを落とすほど早く決まる

ここでつまずく人の多くは、金ではなく水準で止まっている。今の部屋が広くて快適なほど、4畳半で風呂が共用の物件を検索した瞬間に手が止まる。その感覚は僕にも覚えがある。ただ、抜けた直後の住居は一時的な着地点であって、住み続ける場所ではない。落とすのは生活水準であって、人生の水準ではない。

決意して宣言、の順で動くと生活が止まる。収入、住居、それから宣言だ。

なさ男

先に出すのは口じゃない。自分名義の1円だ。宣言はそのあとでいい。

必要額は、思っているより具体的に出せる。家賃と初期費用を入れて、いま自分に足りない額と、届くまでの月数を確認してほしい。

ヒモを抜けるまでの必要額シミュレーター

家賃を含めた生活費3か月分と、住む場所の初期費用を足すと、抜けるのに必要な額が出る。都内の単身なら3か月分で50〜60万円あたりが目安になる。

月の生活費(家賃と合わせて)
生活費3か月分の目標額
初期費用を含めた必要額
自分名義の貯金を引いた不足額
いまのペースで届くまで

計算はブラウザの中だけで行われ、入力した数字はどこにも送信されない。実家・寮・シェアハウスなら初期費用は下がるので、安い順に当てはめてみてほしい。

相手にどう話すか。黙って準備することと、騙すことは違う

順番の話をすると、準備を隠しておくのは卑怯ではないか、という引っかかりが必ず出る。僕もそこで止まった。だから線引きをはっきりさせておく。曖昧にしたまま進むと、抜けたあとに別の後悔が残る。

線引きは、相手から新しく引き出したかどうかにある

準備を言わないことと、相手を欺くことは別の行為だ。僕の判定基準は単純で、抜けるための原資を相手から新しく引き出したか、聞かれたことに嘘で答えたか、この2点しかない。

観点黙って準備する(やっていい)騙す(やってはいけない)
金の出どころ自分で稼いだ分だけで準備を進める抜けるための費用を相手から新しく引き出す
説明の仕方進行中の準備を、まだ言わないでおく聞かれたときに嘘の説明をする
伝える時期目処が立った時点で、こちらから話す目処が立ったあとも黙って受け取り続ける
出ていき方期日を決め、話し合ってから出る何も言わずに連絡を絶って消える

言い換えるとこうなる。準備を黙っているのは騙しではない。相手の金で抜ける準備をすることが騙しだ。この線を越えなければ、後ろめたさを持ち歩かずに済む。

話す順番は、感謝、理由、期日

実際に話すときの組み立ては3つでいい。まず感謝を先に置く。次に理由を言う。最後に期日を出す。理由のところで相手のせいにしないことが、いちばん重要になる。

「あなたに不満がある」と言えば、話は関係の評価になる。そうではなく「働いていない自分の状態を、これ以上続けられなくなった」と、自分の側の問題として出す。実際そうなのだから嘘にもならない。そのうえで「来月末に出る」と日付を置く。避けたいのは「どう思う?」と判断を委ねる言い方だ。優しく聞こえるが、決めた話を相手に決めさせる形になる。

金の清算は、言われる前に自分から持ち出す

受け取ってきた金の扱いは、相手が切り出す前にこちらから触れておいたほうがいい。返す意思があるなら額と時期を言う。返せないなら、返せないと正直に言う。曖昧にしたまま出ていくのが、いちばん悪い後味を残す。

僕はこれができなかった。何も言わずに合鍵を置いて出た。あのとき一言でも清算に触れていれば、今も残るこの後ろめたさは、もう少し軽かったはずだ。抜け方の巧拙より、この一点が長く効く。

線引きも置いておく。ここで扱うのは、18歳以上(高校生を除く)の大人同士が対等な合意のもとで築く関係の話だ。金銭を対価とした性行為は売買春であり違法なので、このサイトでは一切扱わない。相手が既婚者であればその関係は不倫であり、男性側にも慰謝料を請求されるリスクがある。抜ける話の前に、そこは確認しておくべきだ。

なさ男

黙って準備するのは卑怯じゃない。相手の金で準備するのが卑怯だ。

養っていた側は、抜けると言われて何を思うのか

ここは相手側の話をする。抜ける側は「裏切りだと思われる」と怯えるが、僕が見てきた範囲では受け取り方に幅がある。自分の破局と、6年間で近くにいた出す側の女性たちの反応から言えることを整理する。

裏切りと受け取る人ばかりではない

意外かもしれないが、「やっと言ったか」と受け取る人がいる。出す側は、働いていないという状態そのものに価値を置いているわけではない。自分が持てない担当を持ってくれる相手が必要だっただけだ。彼女たちが何を買っていたのかという入口の分解はヒモになりたい人へ向けて貢がれる男の特徴7つを書いた記事のほうにある。

だから、自立の意思を関係の終了ではなく前進として受け取る人も一定数いる。もちろん全員ではない。ただ、切り出す前から裏切りだと思われると決めつけているなら、それは相手の反応ではなく、こちらの罪悪感が作った予想でしかない。

黙って消えられることのほうが、傷は深い

連絡を絶って部屋を出ていく男を、僕は何人か見てきた。残された側がどうなるかも近くで見た。金銭的な損より重いのは、自分の判断そのものを疑うようになることだ。

この人になら出してもいいと思ったのは間違いだったのか。そう考え始めると、疑いは次の関係にまで持ち越される。金は取り返せるが、人を見る目への自信は簡単に戻らない。抜けるときに守るべき筋があるとすれば、消えないことだ。

相手にも、生活の再設計が要る

抜けるという決定は、相手の生活も変える。家のことを担当していたなら、その担当が消える。帰宅時間、食事、部屋の使い方、その日あったことを話す相手。組み直しが必要になる。

だから期日を早めに伝えるのは、自分のためではなく相手のためでもある。1か月あれば、相手も準備ができる。「来週出る」と言われるのと「来月末に出る」と言われるのとでは、受け取る側の負担がまるで違う。抜けることは、相手を否定することではない。担当を返すという話に近い。

なさ男

相手を悪者にしないと抜けられないなら、まだ準備が足りていない。

抜けたあとに何が残るか。29歳・貯金ゼロからの3年

抜けたあとに何が起きるかを書かないと、この記事は途中で終わる。29歳で放り出された僕が何をやって食えるようになったのか、金額まで含めて書く。

最初の3か月は、金の計算しかしていない

最初の数日は友人の部屋の床で寝た。翌週から日払いの倉庫作業に入って、1日8,000円ちょっと。週4で入って月13万円ほどになった。その金で、初期費用3万円台のシェアハウスに移った。4畳半、風呂とキッチンは共用。29歳の住まいとしては、誰にも言いたくない部屋だった。

それでも生活は成立した。抜けた直後に必要なのは立派な再出発ではなく、明日の飯と寝る場所だけだ。ただ、倉庫の帰り道で毎回同じことを考えていた。この働き方を40歳まで続けている自分が、どうしても想像できない。

文字単価0.3円から始めて、半年で生活が回り始めた

倉庫のシフトの合間に、クラウドソーシングに登録した。最初に受けたのは文字単価0.3円の仕事だ。3,000字書いて900円。調べ物と書き直しを入れると、1本に丸1日かかった。最初の月の原稿料は、合計して8,000円だった。倉庫の1日分にも届かない。

それでも続けたのは、単価は上がるが日給は上がらないと気づいたからだ。3か月目に文字単価1円の継続案件を1件取れて、月3万円になった。半年目に、夜の世界の話を書ける書き手を探していた編集者から声がかかり、そこから単価が1.5〜2円に上がった。1年で倉庫を辞めて、書く仕事だけで月20万円前後になった。中野の1Kに移って家賃を自分の口座から払い始めたのは、30歳の終わりごろだ。

履歴書に書けなかった6年が、書く材料になった

面白いもので、職歴として一行も書けなかった6年間が、書く仕事では在庫になった。バーのカウンター、ギャラ飲みの席、レンタル彼氏の待ち合わせ、そして1年半の同棲。あの期間に見たものは、他の人が持っていない材料だった。

ただ、釘は刺しておく。これは僕の道であって、あなたの道ではない。夜の経験談がたまたま商品になっただけだ。夜職を辞めたあと男がどう生きていくかというテーマは、それだけで一本要るので別に書いた。

再現性があるのは、中身ではなく順番のほうだ。自分の名義で受け取れる仕事を1つ作る。住所を自分に戻す。期日を決めて話す。この3つは、材料が何であっても同じように効く。

なさ男

最初の原稿料は8,000円だった。今の生活の起点は、その8,000円だ。

ヒモをやめたい人からよくある質問

抜けたいと考えている人から届きやすい質問を4つ選んで答える。僕の経験の範囲でしか答えられない。

貯金がゼロでも、ヒモをやめられる?

やめられる。ただし順番が変わる。手元に現金がないなら、初期費用のかかる賃貸を外して、実家・寮つきの仕事・シェアハウスの順に潰していくことになる。僕は日払いの仕事とシェアハウスで最初の3か月をしのいだ。貯めきってから動くより、動きながら貯めるほうが現実的だ。

やめたいと伝えたら、その日に追い出されないか

その可能性は消えない。部屋の名義が相手なら、終了の決定権は最初から相手側にある。だからこそ、伝えるのは住む場所の目処が立ったあとだ。行き先さえあれば、最悪その日に出ることになっても生活は止まらない。順番を守る理由はここにある。

職歴の空白は、面接でどう説明すればいい?

僕は最初、うまく説明できずに何度も落ちた。あとから効いたのは、抜ける前後に作った小さな仕事の記録だ。金額が小さくても、いつ何をやっていくら受け取ったかを具体的に言えると、その期間は空白ではなくなる。嘘をつく必要はない。言える一行を1つ用意しておけばいい。

抜けたあと、また同じ関係に戻ってしまいそうで怖い

戻ること自体を否定はしない。役割として成立しているなら、それも選択肢のひとつだ。危ないのは、生活が苦しくなって戻るしかない状態で戻ることだ。選んで戻るのと、追い込まれて戻るのは別物になる。自分名義の収入だけ切らさずにおけば、その差は保てる。

決意はいらない。自分名義の1円から始めればいい

最初の問いに答える。ヒモをやめる方法は、決意ではなく順番だ。相手に依存していない収入を1円でも作り、口座と携帯と住民票を自分の名義に揃え、住む場所の目処を立てて、それから期日を出して話す。この順番で動けば、宣言は交渉ではなく報告になる。

抜けられない5つの理由も、同じ順番で消えていく。現金は日払いでも作れる。住所は手続きで作れる。職歴は今日から作り始められる。罪悪感は、黙って消えないことで小さくできる。残るのは外で通用しないという恐怖だけだが、これは試すまで消えない。だから小さく試す。文字単価0.3円でいい。

本音を書く。僕は追い出された側なので、抜け方を偉そうに説く資格はあまりない。ただ、追い出されたからこそ言えることがある。準備をしなかった1年半で僕が失ったのは、金でも家でもなく、終わり方を自分で選ぶ権利だった。決定権のない席に、僕は自分から座り続けていた。

抜けると決めた人に言うことはひとつしかない。決意はもう十分だろう。今日やるのは1つでいい。自分の名前で受け取れる仕事を、金額を問わずに1件取ることだ。それが1円でも入金された日から、あなたの立場は静かに変わり始める。

なさ男

決意は今日もできる。入金の記録は、今日始めないと今日の日付にならない。

僕は追い出された。あなたは、自分の足で降りられる。

この記事を書いた人

元ギャラ飲みキャスト(約200回)・元レンタル彼氏(指名80人)・ヒモ経験1年半。20代の大半を「女性に求められる側」で生きてきた32歳。恋愛とお金の交差点を、実体験と失敗談込みで書いている。詳しい経歴はプロフィールページで公開中。

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